清水エスパルスのゼ・リカルド監督(52)が成績不振を理由に解任の方向になったことが1日、明らかになった。

開幕から6戦未勝利(5分け1敗)で迎えた甲府戦は0-1で完封負けした。またしても今季初勝利を逃がし、リーグ戦は昨年から14戦勝ちなしとクラブワースト記録をさらに更新。事態を重く見たクラブが解任の方向性を固め、近日中にも最終の結論を出すとみられる。

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首の皮一枚でつながっていた指揮官もぼうぜんと立ち尽くすしかなかった。清水のリカルド監督はロスタイムに天を仰ぎ、無情の笛を聞いた。今季初の連敗を喫し、リーグ戦は昨季から14戦勝ちなしとクラブワースト記録を更新。群馬との前節終了時で開幕10試合のノルマに設定していた「勝ち点20」に達しないことも解任の方向性を固める要因の1つだった。この日の試合後、大熊清ゼネラルマネジャー(58)も解任について否定はしなかった。

後任は未定だが、秋葉忠宏コーチ(47)が暫定的に指揮を執る可能性が高い。ただ、大熊GMは次期監督としてJリーグでの指導歴がある外国人監督をリストアップ。既に水面下で交渉を進めている。候補にはJ1鹿島で指揮を執ったザーゴ氏や、昨季までJ1浦和を指揮したリカルドロドリゲス氏らが挙がっている。

解任となれば、5季連続でシーズン途中での監督交代。チーム編成を主導してきた同GMは今後も続投するようだが、責任を取ろうとしない現状にクラブ内から不信感を抱く声が噴出している。2019年のGM就任後、毎年残留争いに巻き込まれ、昨季は過去最高の強化費を投じながら2度目のJ2降格。もっとも、同GMを招聘(しょうへい)したクラブの鈴木健一郎会長が任命責任を追及されても不思議ではない。

今季はJ2屈指の戦力を誇りながら、開幕から7戦未勝利で暫定19位。J1昇格の有力候補だった清水が混迷している。