サッカー元日本代表監督で、J3FC今治の岡田武史会長(66=日本協会副会長)が、今度は「高等学校教育」に乗り出す。19日、都内で会見し、来年4月に「FC今治高等学校 里山校」(愛媛県今治市)を開校して学園長に就任すると発表した。1期生80人を全国から募集。豊富な人脈を生かして各界から特別講師を招き、不確実性が高い現代を生き抜くタフな主将的存在「ヒストリック・キャプテン」の輩出を目指す。

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岡田氏が環境問題などのピッチ外に興味を持ったのは、早大に通っていた70年代だった。「今の早さで人口増加や環境汚染が続けば100年以内に地球上の成長は限界に達する」という米著「成長の限界」(72年)を読み、衝撃を受けた。

92年には涙した。ブラジルでの地球サミット。12歳の少女セヴァン・スズキが「(オゾン層など)どうやって直すのか分からないものを、壊し続けるのはやめて」と訴えた歴史的スピーチに感動した。ところがW杯フランス大会後の02年、南アフリカでの環境会議に出席した際、無関心を10年後も貫く各国に落胆。米先住民族の「地球は子孫からの借り物」という言葉を胸に、既に始めていた環境教育や野外体験学習に、より力を入れるようになった。

その中で「学校は社会に出る準備をする場だが、社会が変わっているのに教育が変わらない現状に首をかしげて」初の教育分野へ。社会を探究する週2回のゼミ等で多様性を引き出す。