セレッソ大阪が、今季初の3連敗で6位から7位へと後退した。鹿島、神戸との上位対決に連敗し、さらに最下位の湘南にも敗れ、すべて完封負けという屈辱だった。

MF香川真司(34)は「この3連敗という現実を、しっかり受け入れながら前に進むしかない」と、悔しさをこらえた。

試合はほぼ互角の展開で進みながら、最終盤にセットプレーから2失点した。

背番号8は「惜しいチャンスはあったが、ビッグチャンスが生まれていない。それを生み出すには、もっとこだわって、質を上げないといけない」と振り返った。

先制機はあったものの、全体的に迫力に欠けた攻撃で、閉塞(へいそく)感が漂った。

FWカピシャーバとMFクルークスの両サイドのアタッカーが敵陣深く進入したとしても、その先がない。ゴール前では事実上、期待できるのはFWレオ・セアラだけで、最近は左右から入るクロスの質も低く、得点を期待させる場面は限りなく少ない。

本来最も得意だったはずのカウンターも、鳴りを潜めている。最終ライン、ボランチ、2列目を含めて、全体が一本調子のリズムで90分が終わってしまう。

香川と同様に、DF進藤亮佑(27)も「ビッグチャンスが、あと2つ、3つないと厳しい。ワンチャンスを決めて勝つのも重要だが、僕らはもっと、多くチャンスをつくっていかないといけない」と反省した。

この日は故障者の影響もあり、先発3人を入れ替えたものの、連敗と無得点の流れは変えられなかった。カピシャーバら前線の先発陣が途中交代した時点で、得点への期待感がさらに下がってしまう。

リーグ戦は今後、3週間の中断期間に入る。攻撃のテコ入れをする場合、先発を変更して解決することは至難の業だ。それほど選手層は限られている。

ただ、6月3日の名古屋戦を最後に、先発がないボランチのMF鈴木徳真(26)を復帰させるのは、1つの手だろう。正確なキックが攻撃の起点になるのは、昨年の好調時に実証済みだ。

残り5試合で首位神戸とは勝ち点13差、目標の3位(浦和)とは同5差に広がった。

小菊昭雄監督(48)は「私たちは、ラスト5試合につなげないといけない。しっかり受け止めて次に向かっていく」。香川は「まず3連敗している状況で、次の1勝(を目指す)。自分たちの力不足なので、しっかり受け入れて次に進むしかない。いきなり、うまくなることはない」と、足元を見つめた再スタートを誓った。

中断明け最初の試合は、21日のアウェー広島戦。直接対決で現在、公式戦で5連敗している苦手中の苦手に、どう立ち向かうのかも注目される。