2日に予定されていたサッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグ、セパハン(イラン)-アルイテハド(サウジアラビア)戦が中止となった。
ESPN電子版によると、ピッチの入り口に暗殺されたイランの軍人の像が置かれ、アルイテハドの選手たちがロッカー室を出ることを拒んだためだという。
イラン・イスファハンのナグシュ・エ・ジャハン・スタジアムには、約6万人のファンが集まっていたが、アジアサッカー連盟(AFC)は「予期せぬ不測の事態により試合がキャンセルされた」と発表した。声明で「AFCは、選手、試合関係者、観客、そして関係者全員の安全と安心を確保するために全力を尽くすことを改めて表明する」とした。試合の扱いについてはAFC内の関連する委員会が今後、決定することになる。
イスラム革命防衛隊の司令官カセム・ソレイマニは、20年1月にバグダッド空港近くでアメリカの無人機攻撃により殺害された。
SNSに公開されたスタジアムの写真によると、ソレイマニ氏の胸像がピッチの入り口に置かれ、トンネルを抜ける選手たちから見えるところにあった。
イランとサウジアラビアの関係は長い間緊張状態にあり、今年のACLは16年以来初めて、両国のクラブがホーム&アウェイで対戦することが認められた。これまでは治安上の懸念から、両国クラブ同士の試合は中立地で行われていた。
クリスティアノ・ロナウドが所属するアルナスルは2週間前にテヘランへ行き、ペルセポリスと対戦した。この試合はファンの行為によりAFCがイランのクラブに1試合の観戦禁止処分を下していたため、無観客で行われた。
3日のナサジ・マザンダラン(イラン)とアルヒラル(サウジアラビア)の試合も、ピッチコンディションにより危ぶまれている。アルヒラルのネイマールがSNSでピッチ状態を問題視したことを受け、ナサジのセイエド・メフディ・ラーマティ監督は本来の本拠地ではなく、テヘランのアザディ・スタジアムで行われる同試合のピッチが最適な状態ではないことを認めた。
ネイマールはSNSに、テヘランのスタジアムの土がむき出しとなった地面に、作業員によって芝生が置かれている画像とともに「こんなことはありえない」と記した。アルヒラルがイランを離れ、すぐにサウジアラビアに帰国するよう告げられたという報道も出ており、試合は延期される見通しとなっている。