この秋、TBSにサッカー番組が誕生する。同局系で長年愛された「スーパーサッカー」の終了から2年半。15日から「KICK OFF! J」(日曜深夜0時58分)が始まる(初回は深夜1時28分スタート)。番組MCを務めるのは、同局齋藤慎太郎アナウンサー(26)だ。元横浜F・マリノスユースで、立教大学までサッカーを続けた本格派。入社4年目で早くも夢がかなった。プレーする側から伝える側に。サッカー愛を全力でぶつける。全3回の2回目は、実況へのこだわりを聞いた。

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齋藤アナは、入社4年目にして初の番組MC就任となる。「リハーサルの紹介があって、『あー自分が進行なんだな』って。進行やるんだなっていう。そういった意味では、今までの仕事でワンコーナーを任せてもらえたりして、『Nスタ』(月~金曜午後3時49分)でもプレゼンをする中で、うまく演者の人と話しながら、紹介しながらってことはやってきたので、全く同じだとは思いませんけど、そういう要素をちゃんと応用してできたらいいなと思っています」とこれまでの経験を生かす。

今年、アナウンサーとして大きな変化があった。年明けの女子高校サッカー選手権の配信番組で初めて実況に挑戦すると、7月に行われた横浜F・マリノス対マンチェスター・シティ戦で地上波初実況を務めた。9月後半からは、中国・杭州アジア大会でも実況経験を積むなど、担当試合は8試合まで増えた。実況と、サッカー番組MC。順調すぎるように見えるそのキャリアについて問うと「順調ではないかな…。うん。順調ではないですね。やっぱりなんでしょう。やりたいと思ったようなことはできていますけど、やっぱりまだ実力がついてきてないのは事実なので」と冷静に足元を見つめる。

テレビ離れが進む昨今、サッカー番組の消滅が相次いだ。放送料の高騰もあり、地上波でサッカー中継も減る傾向が続いている。サッカーを伝えるために入社した齋藤アナにとっては、目標を見失ってもおかしくない潮流だったが、地道に取り組みを続けてきて、チャンスが舞い込んできた。「サッカー番組が復活するなんて思ってもみなかったので、サプライズ中のサプライズです。全く想像してないです。サッカー番組以外にも仕事をやらせてもらっていて、充実した日々ではありますね」。

アジア大会で4試合担当した実況については、反省の弁ばかりを並べた。大会直前に放送が決まり、急ピッチで資料作りを進めた。情報が限られた中で、決勝トーナメント1回戦から決勝まで、地上波で実況を務めた。「どの試合も、自分の理想と今しゃべっている自分の現実の差を痛感しながら実況していました。だからうれしいですけど、悔しさの方が多くて終わってます。早く次の実況したいです」と振り返る。

「実況とは描写」という信念を持つ。「その描写からプレーの意図が伝わるのがいいです。例えば、『横パス見せといて縦パス入れました』だったら、単なる縦パスじゃなくて、体開いて縦パスを入れたんだなってその描写でわかるじゃないですか。細かく伝えることでサッカーを知らない人にも伝わるし、サッカーをわかってる人でもあそこにそういう意図で入れたんだってわかりますし。細かく選手の意図を描写したいなっていうのはあります」と理想を明かした。

実況の経験を積みながらMCに挑戦。Jリーグは今年30周年を迎えた。日本代表は、7大会連続でワールドカップ出場を成し遂げ、本気でW杯優勝を掲げるまでに成長した。「やっぱりサッカーが常に全ての人の身近にある存在にテレビってなれると思うので、テレビだけじゃなくて、SNSも使っていかないといけないなと思いますので、この番組が常にどっかしらの、いろんな人の目に入るような存在になれたらなと。そうしたらなんか必然的にサッカーが身近に感じられるようになってくんじゃないかなと思いますね」。自分を育ててくれたサッカー界に少しでも恩返ししていきたい。【佐藤成】

◆「KICK OFF! J」…関東J1の8チームを中心に、J2、J3チームも含めてさまざまな情報を届ける。30周年を迎えたJリーグのさらなる発展を推し進めていく。齋藤アナと御手洗菜々アナがMCを務め、JリーグOBの解説者をゲストに迎えて番組を進行していく。

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