川崎フロンターレFW小林悠(36)が「等々力劇場」を作り出した。
1-2の後半33分に出場すると、6分後に同点弾を奪った。DF山村和也からのロングフィードでDFラインの裏をつくと、冷静にゴールネットを揺らした。「自分のゴールで雰囲気をガラッと変えたいなと思ってましたし、等々力(陸上競技場)の雰囲気を変えられるのは自分しかいないと思った」と強い気持ちが実った。
山村には、裏のスペースを狙うように事前に話をしていたといい、「本当にリクエスト通りの最高のボールが来たんで、あとはトラップを完璧にしっかり止めるってこと(を意識した)。トラップがきれいに止まったので、あとは流し込むだけでした」と充実の表情で振り返った。
一気に会場のボルテージを上げると、同ロスタイム2分には、右サイドからFWゴミスにクロスを供給し、MF遠野大弥の逆転弾の起点となった。「バフェ(ゴミス)があそこに入るときは結構背負ってポスト(プレーが)できるので、手前に落とすイメージで。そうしたら大弥がうまく潜り込んで、シュートもスーパーだった」と味方をたたえた。
今季はケガの影響もあり、試合出場の機会が激減した。9月26日の練習後には、鬼木達監督と話し合い、「負けている時、引き分けの点が欲しい場面で、残り10分とかでも、作るモチベーション、気持ちは他の人とは違うものがある」と伝えた。直後の同月29日のアルビレックス新潟戦は前半のみで交代になり、チームも敗れて悔しい思いをした。「先週の練習試合を含めて、なんとか結果を出してメンバー入りたいなっていう強い気持ちを持ってプレーしてたんで、ピッチに入って、とにかく自分の結果を残すことだけを意識していました」。
9月23日に36歳を迎えた。ベテランと呼ばれる年齢になった。「この年でこういう競争ができて、すごい幸せなことですし、もちろん、悔しい思いもたくさんしましていますけど、そういう競争に勝っていけるようにまた練習からアピールしたい」。まだまだチームに必要な存在であることを証明して見せた。【佐藤成】



