アルビレックス新潟のMF松田詠太郎(22)が5試合ぶり勝利に導く。13日、ホームでコンサドーレ札幌と対戦する。試合前日の12日は聖籠町で最終調整を行った。前節7日セレッソ大阪に0-1で敗れ、今季初の2連敗。チームは4試合勝ちなし(2分け2敗)と波に乗れていない状況を打破しようと、今節に向けた練習で人もボールも動く攻撃スタイルを原点回帰した。クラブのJ1通算600ゴールにリーチをかける中、強気に右サイドをえぐる快足ウインガーが攻撃の火付け役となる。

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強気に右サイドを駆け抜ける。報道陣にのみ一部公開された札幌戦前日で松田は、ボールタッチの感覚を丁寧に確かめるように足を振った。5試合ぶり勝利貢献に向け、「最初のワンプレーから強気に仕掛ける。自分がチームを引っ張る」と言葉に決意を込める。

攻撃志向が強い新潟だが、直近3試合で奪ったゴールはセットプレーの流れからの1点にとどまる。札幌戦での攻撃爆発に向け、チームは今週の練習で選手同士が長短のパスと個人技でつながる「自分たちらしさ」を再確認。1つのオプションとして、クロスからシュートに持ち込むことも反復で取り組んだ。松橋力蔵監督(55)は「ウイング同士がつながって仕留める形もある」と期待。松田も「逆サイドにボールがある時は積極的に得点が奪える位置に飛び込む」と、クラブのメモリアル弾と自身のJ1初ゴールを狙う。

右利きながら逆足でボールを運び、急加速で対峙(たいじ)する選手を振り切り好機を演出する松田の特長を各チームが分析し、消しに来るが「何回そこを突破できるかが自分の役割。上回っていきたい」と負ける気はなし。試合をこなす度にマークは激しくなるが、「ここ(新潟)に残ったのはもっともっと上に行くため。こんなところでつまずいている場合じゃない」。横浜マリノスからの期限付き移籍を延長して臨む新潟3年目の今シーズンに懸ける思いは強い。

新潟は開幕7試合を終えて2勝2分け3敗の14位。上位に食らいついて行くためにも連敗を2で止め、ホームで勝ち点3を奪って上昇気流に乗りたい。「絶対に落とせない一戦。チームとして1つゴールを取れば流れは変わる。強い気持ちで臨む」。風を機って攻撃をけん引する。

【小林忠】

○…主将の左DF堀米悠斗(29)が10日の練習で負傷。札幌との古巣戦の出場は回避する。松橋監督は「張りを感じている部分があるので早めに対処する。大事には至っていない」と話した。