アルビレックス新潟はMF秋山裕紀(23)がクラブのJ1通算600得点目を決めた。0-1の後半35分、ピッチ中央でMF小見洋太(21)からのパスを受けると、右足を一閃(いっせん)。矢のような弾丸ミドルをゴールネットに突き刺した。試合は1-1で引き分けたが、後半32分からピッチに投入された大卒ルーキーのMF奥村仁(23)がゲームの流れを変えた。5試合ぶりの勝利は逃したが、連敗は2で止めた。

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ここ数試合の鬱憤(うっぷん)を晴らすようなメモリアルゴールだった。相手に1人退場者が出て押し込み続けた0-1の後半35分。秋山がゴールまで約20メートルの距離から同点弾となるJ1通算600得点を決めた。チームとしては3試合ぶりの得点。サポーターの歓声はスタジアム全体に響いた。

札幌戦に向けた今週の自主トレで、同じボランチの宮本英治(25)と繰り返し打った位置から決めた。J1初ゴールがメモリアル弾。「自主トレはいつも以上に時間をかけた。(宮本)英治と『俺たちが決めないとダメだな』と言い合っていた。勝てずに悔しいが、(ゴールが)入って良かった」と、ほおを少しだけ緩めた。

新潟のJ1第1号ゴールは04年4月4日の柏レイソル戦(2-1、柏の葉)でMF鈴木慎吾が決めた得点。あれから20年。高卒6年目の秋山が歴史に名を刻んだ。「形うんぬんではなく、隙を見逃さなかった素晴らしいゴール。彼のこれからの自信につながっていくと思う」と松橋力蔵監督(55)。今季は3得点8アシストを個人目標に掲げる。「ゴールを決めてようやくスタートしたってところもあるので、よりゴールに直結するプレーを増やしたい」と次からのパワーに変換していた。

次節は20日。17日ルヴァンカップ2回戦のJ2いわきFC戦を挟み、アウェーで京都サンガと対戦する。この日、主将マークを巻いてフル出場した23歳は「今日の引き分けで悲観的にならず、ルヴァン杯との連戦に全力で挑んでいきたい」と言葉に力を込めていた。【小林忠】

○…奥村が1点を追う後半32分に本拠地デビュー。同35分、ペナルティーエリア内でのパスミスを奪い返し、秋山の同点弾につなげた。「緊張はしなかったが、気合が入りすぎてあまり覚えていない。特長は出せなかった」と振り返ったが、狭いスペースでボールを受けても焦ることなく前を向き、アグレッシブにゴールを目指した。松橋監督は「早く試合で使いたい選手だった。好きにやって来い、とピッチに送り出した。出場を重ねることでもっと特長が出せると思う」と今後の活躍に期待した。

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