天皇杯初出場の東洋大(アマチュアシード)がJ1連破した。新潟のホームに乗り込んで2-1。大学勢が同一年度にJ1相手の2連勝を飾るのは史上初で、堂々の16強となった。前半追加タイム2分にFW村上力己(22=4年)が先制。1-1の後半12分に10番の湯之前匡央(21=4年)が決勝点を挙げた。J1勢は、東アジアE-1選手権(韓国)から帰国の日本代表勢が即登録された広島がJ2藤枝に5-2。川崎FはJ3の相模原に0-0(PK1-3)で敗れた。4回戦は8月6日に行われる。

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J1連破は、まぐれじゃない。本物だ。0-0の前半終了間際、FW村上が、柏への来季加入が内定しているDF山之内からのラストパスを押し込んだ。左クロスに右足を合わせ「DFの背後でしっかり待てた。狙い通り」。1-1の後半12分には、MF湯之前が新潟DF森のバックパスをかっさらい、GKを冷静にかわして流し込んだ。「相手が後ろ向きになった時は強くプレッシャーに行こう、と約束事としてあった。相手のミスもあり、ゴールにつなげられた。運も味方してくれた」と笑顔だった。

2回戦(6月11日)では柏を延長戦の末に2-0で撃破。大学生チームがJ1に勝ったのは10度目だったが、満足しない。自校で2戦連続11度目を達成した。

OBの新潟DF稲村が今月、スコットランド1部セルティックに完全移籍。決勝点の湯之前は、稲村が「渡欧前に練習場に来て『頑張って』とエールをくれた」と明かし「プロ半年で海外はすごい。超えなければならない存在」。同一大会では史上初の、J1相手2連勝のパワーに変換した。

昨年は、特別指定選手として在学しながらルヴァン杯準優勝に貢献した稲村の活躍に対し、東洋大に新潟サポーターから寄付金が届いて話題になった。痛快な恩返しに、背番号10は「感謝の気持ちをプレーで示そうと思った」と納得した。

真夏の4回戦は、昨季J1を2連覇の神戸と対戦する。湯之前は、笑みを浮かべながら「本当にすごいメンバーがいるけど、どこまで通用するのか楽しみ」。先制点の村上も「また新しい歴史をつくれるように」と目を輝かせた。未知の扉を開け続ける。【小林忠】