東京ヴェルディがホームでファジアーノ岡山を4-2と振り切り、5試合ぶりの白星を挙げた。

城福浩監督(64)の起用がズバリ当たった。今夏に特別指定選手として加入したFW平尾勇人(20=日大在学中)を初めて先発メンバーに抜てき。その平尾が前半終了間際、MF森田晃樹のクロスから貴重な同点ゴールを奪った。

その平尾について問われると、城福監督は会見でこう話した。

「ベンチに入っても出場機会が彼はしばらくなかったと思いますし、ベンチに入れなかかった時間が本当に最近までずっとそうだった。内田もそうですけれども、ピッチ、練習場のピッチっていうのは嘘をつかないと思ってますし、それを一番僕が信じてあげなきゃいけないものだと思ってるので、自分のが決断したら信じて送り出すというふうに思っていました」

東京ダービーに0-1で敗れ、悔しさにまみれた。そこから気持ちを切り替えるべく、平尾ら若手を起用した。それはチームに対し、自分たち本来の姿へと立ち返らせるという意味合いも強かったようだ。

そしてこう補足した。

「今のこのチームは停滞してるわけじゃないけれども、何かの意思統一をより強固なものにするためには彼らが必要でしたし、それは新井悠太のポジション変更もそうですけれども。そこに僕の中で腹がすわったのは、やはり彼らの日頃の練習の姿勢で僕を信じさせてくれたというところが大きいと思います」

平尾は決して技術が高く見栄えのいいプレーをするわけではない。だが懸命に走って戦い、愚直なまでにゴールへと向かう。常に全力。その姿勢がチームに大事だった。

城福監督はこう言う。

「自分たちの立ち返るところが攻守両方あるんですけども、守備で言えば効率を求めないで、そこまで追いかけるかと。そこまでハードワークするのかというところは、自分たちがこのJ1の20チームの中で一番感じさせなきゃいけないチームなんですよね。足元もできる、裏抜けもできる、自分の時間も作れる、ドリブル突破もできる、それで前から3度、4度追いができる。そういう選手を育てたいですけども、何を優先すべきかと、どこに立ち返るべきかっていうのを整理した上での今日の抜擢でした。もちろん多くのものをまとってほしいですけども、彼の守備の献身性とか、ゴール前に入っていくあのセカンドストライカーのような迫力っていうのは今日も出してくれたと思う。まだ足りないとこはたくさんありますけども、良さっていう意味ではある程度出せたんじゃないかなというふうに思います」

自ら信じて抜てきした選手が活躍した。Jリーグ最年長監督の慧眼が、今季初めての3得点以上という結果にも結び付いた。【佐藤隆志】