Jリーグが綱紀粛正を徹底する中、福岡が法令違反の報告を怠っていたことが24日、分かった。クルーク・ヘッドコーチ(45)が4月初めまで、失効した国際免許証で自動車を運転していたが、クラブは1カ月以上、Jリーグへの報告をしていなかった。

 英国出身の同コーチは4月上旬、福岡市内で一時不停止で道路交通法違反の反則金を支払った。後日、国際免許証が失効していたことが判明。本人は失効を知らないまま約2カ月、無免許運転だったことが、4月中に警察からクラブに知らされた。都筑興社長(66)は22日に緊急のJ1、J2合同実行委員会に出席し、リーグ首脳から法令順守徹底などの要請を受けていたが、報告は同日ではなく、翌23日に書面で行っていた。

 同コーチはオーストラリア・シドニーFC時代からのリトバルスキー監督(48)の右腕だが、同監督の続投が決まった23日は練習場に姿を見せなかった。クラブ側は欠席理由を「家庭の事情」としたが、実はこの日午前中に、福岡市内の警察署へ出頭していた。田部和良GM(46)は「コーチが4月末から緊急帰国して出頭予定が変更になったので、Jリーグへの報告が遅れた」と話した。

 今月に入って浦和とG大阪のサポーターが衝突し、鹿島選手の酒気帯び運転も発覚。トラブル続きに鬼武チェアマンが全クラブに「Jリーグ存亡の危機。原点に返ってやろう」と呼びかけた矢先だった。Jリーグ全体が信頼回復へ動く中で、報告を怠った福岡の認識の甘さは否めない。