清水の鹿児島キャンプ4日目の9日、ゴトビ体制初の実戦となる練習試合J2東京戦でFW伊藤翔(22)が目標の開幕スタメンへ大きく前進した。主力組の1トップで先発出場すると、1本目の20分、MF小野伸二主将(31)の先制弾をアシスト。同32分にはCKからのこぼれ球をダイレクトボレーで豪快にたたき込んだ。昨夏、フランスのグルノーブルから加入した若きストライカーが今季こそ本領を発揮する。
最前線で伊藤が存在感を見せつけた。小野をトップ下に置き、1トップを張った今季初実戦。22歳の若武者が新加入のベテランFW高原を差し置いて先発出場し、1得点1アシストの結果を示した。「1トップに抵抗はなかった。むしろ、伸二さんとのコンビもすごくやりやすかった」。予定通りの72分間のプレーを終えた伊藤は好感触を体全身で感じていた。
目標として公言する「開幕スタメン・開幕ゴール」を一気に現実へと近づけるプレーだった。まずは、試合開始20分、GK山本からのロングボールをMFアレックスと経由している間に、相手DFラインの背後を奪い、中央の小野へラストパスで先制点を演出。同32分にはCKのこぼれ球に、迷わず左足を振り抜き、豪快なミドル弾をたたき込んだ。
ゴトビ監督からのリクエストにもしっかり応えた。「最初の試合としては最高のスタートだった。監督からは(相手DFラインの)裏を狙うことと、点を取ることを要求されていた。体もまだまだ動くし90分ぐらいは余裕でできます」。愛知・中京大中京高からグルノーブル入りした。卒業後、直接海外クラブと契約する初めての例として3年半所属したが、出場機会に恵まれなかった悔しさも、今の伊藤の糧になっている。
いよいよ勝負の時だ。「サイドからのクロスは試合中に絶対に入ってくる。課題はヘディングシュート。正確に枠に飛ばせるようにもっと練習しないと」と、課題を挙げた。ベテランのFW高原、FW永井らとの定位置争いも今後、さらに激しさを増していくが「先輩からはサッカー面も生活面も勉強になることばっかりです。でもピッチでは負けられないし、きばってやるだけです」と言い切った。謙虚に貪欲に、伊藤がエースへの階段を上り始めた。【為田聡史】



