ドイツ戦で結果を出し、日本を救ったMF堂安律が、コスタリカ戦で先発する可能性が高まった。

得点したその勢いとともに、体を張り、しっかりと守備でも貢献できる。攻守で起用メリットが見込める。相手の左サイド、対峙(たいじ)することになる18歳のMFベネットは、突破力が武器。所属のフライブルクでも守備を重視する戦術の中でしっかり結果を出している堂安。突破力のある伊東と特徴は違うが、適任。24日には、「まだ歴史は変わっていない」と言い切るなど、強心臓も頼もしい。

トップ下には、堂安と好連係、あうんの呼吸が見込まれるMF久保建英が浮上してくる。東京五輪ではダブルエースとしてチームを4強に導いた。堂安が「感じたままに動くのが、もっとも2人の特徴を引き出し合える」と言えば、久保は「(堂安は)自分ならこうしてほしいというプレーをする。波長が同じ」と語っている。初戦7-0で勝ったスペインがコスタリカのDFラインを崩したような、連係が期待できる。

ドイツ戦ではMF鎌田がトップ下で先発し、フル出場した。鎌田の走行距離はチーム最長の12.4キロ。一方、久保は前半で交代しており、中3日でも、コンディション的には問題なさそう。スペイン戦やその先を見据えた戦い。目標は日本代表史上初の8強。森保監督は兼任監督として東京五輪を率いた経験も武器の1つ。積み上げも生かし、久保&堂安の連係に活路を見いだす可能性は十分にありそうだ。

久保が中央に入ると、左サイドにはMF相馬勇紀が浮上する。こちらも東京五輪世代。本大会直前に行われた17日の国際親善試合カナダ戦(UAE)では代表初ゴールと、好調を維持している。「(相手は)真ん中を固めてくるので、サイドで1対1で(マークを)はがすところは大切になる。仕掛けは、相手が嫌がるくらいいきたい」と意気込んでいる。

ドイツからの歴史的勝利は過去のこと。大胆なシステム変更で金星を手にした森保監督が、大胆なメンバー変更で再び勝負師の采配を見せるのか-。戦いは、試合前から始まっている。