オサスナが来季に向け、日本代表MF久保建英(19)の獲得に動きつつ、今季マジョルカで久保とコンビを組み、チームの攻撃を支えたコロンビア人FWクチョ・エルナンデス(21)との契約も目指していると、オサスナの地元紙ディアリオ・デ・ナバーラ電子版が30日に報じている。

同紙によると、オサスナはすでに来季に向けて久保の1年間の期限付き移籍のオファーをレアル・マドリードに出したとのこと。しかし獲得競争が激しいため、非常に困難な状況であるという見解を示している。そんな状況ながらもオサスナのクラブ関係者が「トライするつもりだ」と明言したことを合わせて伝えた。

また同紙は、久保のFC東京からレアル・マドリード入団およびマジョルカへの期限付き移籍までの経緯を説明した後、マジョルカでのパフォーマンスについて、「その年齢にもかかわらず、ビセンテ・モレノ監督率いるチーム内で重要な地位を手に入れ、11月10日のビリャレアル戦で初得点を記録した。マジョルカが3-1で勝利し、久保はゴールに加え、1アシストも記録した。そしてマジョルカ最後の試合を久保は、エル・サダル(オサスナのホームスタジアム)で戦い、リーグ戦35試合出場4得点5アシスト(※スペインリーグの公式データは4アシスト)という成績でシーズンを締めくくった。これは久保にとってのスペインリーグ初年度であることを考えると、全く低い数字ではない」と高く評価した。

またマジョルカが来季、2部を戦うにもかかわらず、久保の期限付き移籍の延長を試みたが、失敗に終わったことも伝えている。

そして今夏、RマドリードはEU圏外枠の問題により、久保を再び期限付き移籍に出す意向を示しているが、まだ「アジアの宝石」を手放すつもりがないとのこと。そんな中、パリ・サンジェルマン、ラツィオ、アヤックスなどのヨーロッパのクラブや、最近の有力候補とみられているレアル・ソシエダード、セビリアなどのスペイン勢が久保を狙っていることをディアリオ・デ・ナバーラ紙は報じている。

一方、オサスナは移籍市場で他クラブと競争する場合、自分たちの弱さをよく分かっており、「進化し続けるためにオサスナが最高の場所だと久保を納得させるために、自分たちの武器を非常に明確にしている」という。

実際、オサスナは久保に、クラブ100周年およびリニューアルされる新スタジアム最初のシーズンで主役の座を保証したとのこと。さらに関係者の情報によると、「ジョゴバ・アラサテ監督自らが、久保の周囲を説得することに大きな関心を寄せている」という。

そして特に、来季からのアディダスとの契約が、久保獲得のオペレーションをスムーズに行うために必要不可欠なものであるとのこと。なぜならアディダスはRマドリードのスポンサーでもあるため、久保がオサスナを選択する非常に重要な要素になる可能性があるとのことだ。

さらにオサスナは今夏、久保とともに今季マジョルカの攻撃を引っ張り、現在期限付き移籍元のワトフォードに帰っているクチョ・エルナンデス獲得にも動いていると伝えている。クチョ・エルナンデスは今季、マジョルカでリーグ戦22試合に出場し5得点1アシストを記録した。

また、クチョ・エルナンデスと今季オサスナに所属しているエースのチミー・アビラは2017-18年からの2シーズン、ウエスカで一緒にプレーして1部昇格を成し遂げ、良く知る間柄であるとのことだ。

(高橋智行通信員)