ビーレフェルトMF奥川雅也(25)が日本人選手として初となる4試合連続ゴールをマークした。

ホームのフュルト戦にフル出場。0-0の前半8分にドリブルでペナルティーエリア内に切り込んで右足で先制点を奪った。試合は2-2で引き分けたが、チームは16位に浮上して自動降格圏を脱した。

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奥川の勢いが止まらない。前半8分、ペナルティーエリア手前やや右でパスを受けると、縦へのドリブルでボックス内に進入。相手DFから一瞬遠ざかるように右へボールを動かしてから、体を反転させて右足でシュートを蹴り込んだ。

ブンデスリーガでの日本人選手の4試合連続ゴールは初めて。高原直泰と岡崎慎司の両FW、MF香川真司といったかつての日本代表たちも成し得なかった快挙だ。ビーレフェルトでもデルロン・バックリー(6戦連続、04年)、フランク・パゲルスドルフ(5戦連続、82年)に次ぐ好記録となった。

奥川は試合後、連続得点について聞かれると「何よりうれしいのはチームに貢献できていること。勝ち点3を取れればもっと良かったけれど、このパフォーマンスを続けて、自分のゴールでチームの役に立ちたい」と笑顔で話した。

【データ】奥川雅也ドイツ1部で日本人初リーグ戦4戦連発 高原、香川超え

京都の下部組織時代から「古都のネイマール」として知られていたが、特筆すべきは両足の精度。ドリブル突破、キック、すべてのプレーで左右の足を自在に操る。加えて欧州へ渡り、決定力にも磨きがかかった。20年11月には日本代表へ初招集されたが、当時所属していたザルツブルクでコロナ感染者が出たため招集が取り消された。今季の活躍で森保監督もますます奥川に注目するに違いない。

◆奥川雅也(おくがわ・まさや)1996年(平8)4月14日生まれ、滋賀・甲賀市出身。京都U-15、U-18を経て15年にトップデビュー。同年7月にオーストリア1部ザルツブルクへ加入。マッテルスブルクやドイツ2部キールなどへの期限付き移籍を経て、21年1月からビーレフェルトへ期限付きで加入。今季はクラブが買い取りオプションを行使し、完全移籍となった。177センチ、68キロ。

◆日本選手の欧州各リーグでの連続試合得点 イングランド、イタリア、スペイン、ドイツの欧州4大リーグで同一シーズンに4試合連続ゴールは今回の奥川が初。シーズンまたぎを含めると、イタリア・セリエAでカターニアの森本貴幸が08-09年から09-10年に4試合連続ゴールを記録。オランダ1部では4試合連続が最多で、09-10年にVVVの本田圭佑、16-17年にデンハーグのハーフナー・マイクが達成している。