20年ぶりに来日したプレミア王者リバプールが、横浜とのプレシーズンマッチを3-1で制した。Jリーグ主催試合の最多入場者数記録を更新する6万7032人で埋まったスタンドが真っ赤に染まった中、MF遠藤航(32)は1点ビハインドの後半15分から登場。凱旋試合の日本代表主将が最終ラインで安定したプレーを披露した。W杯イヤーにつながる新シーズン開幕は8月15日(対ポーツマス)。日本が誇るキャプテンは世界的名門クラブでその地位を着実に固めている。

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アンフィールドさながらの熱気をはらんでいた。日産スタジアムはチケット完売の6万7032人。スタンドはレッズの赤に染まった。後半15分に遠藤が登場した。ファンダイクとの交代で左腕にキャプテンマークを託された。会場は大歓声に包まれる。4枚のDFラインの中央左に入った。

前半から高い技術と組織力で押し込んだが、決定機を生かせない中で失点。嫌な流れを断ち切るためスロット監督が切ったカードは遠藤だった。沈着冷静、安定をもたらす背番号3。狙い通り流れは変わった。

相手CKを遠藤が頭ではね返した。直後の後半17分、リバプールに同点ゴールが生まれた。カウンターからサラーが中央へ流したところ新加入したドイツ代表MFビルツが押し込んだ。

その後も激しいデュエル、最後尾からの安定したボール出しでチームにリズムをもたらすと、後半23分には右クロスから18歳MFニョニの勝ち越し点が生まれた。さらに後半42分には16歳FWングモアが個人技で追加点を挙げた。日本代表キャプテンがスター軍団の一員として、求められる役割を果たした。

伝統のリバプールの真っ赤なユニホームに袖を通して3季目。日本のピッチでファンにその堂々たる雄姿を初めて披露した。

「個人的にはすごくうれしかったですね。リバプールの選手としてこうやって自分が生まれ育った街に帰ってこられたというのは。すごく素晴らしいというか、誇らしい瞬間だなっていうふうに思いました」

試合後は勝利チーム賞のシャーレを受け取り、笑顔でファンに手を振った。そして最後はピッチに居残り、フィジカルコーチのもとで1人ダッシュやシャトルランを繰り返した。その姿にファンからは「遠藤コール」が巻き起こったほど。スロット監督は会見で「短い時間であっても役割を全うしてくれ、チームのために存在している。そんな彼が日本という場でキャプテンマークを巻いてプレーすることは素晴らしいこと」と話した。

8月15日に新シーズンは開幕する。あと2週間ほどと迫る中、新加入選手や若手の台頭もあってチーム内競争は激しさを増している。

「もう1個タイトルは取りたいと思っているし、他のカップ戦とか取れるタイトルはすべて取りたいって思っています。それぐらいの気持ちでみんな意気込む挑むシーズンになると思っています。個人的には毎試合、毎試合、ベストのコンディションで挑めるだけの準備だったり、トレーニングというのを自分の中で考えながらしっかりやりたい」

その先には1年後のW杯もしっかりと見据えている。「いいシーズンを過ごして、最高の形でW杯に挑めればいいかな」。

プロ魂の塊とも言うべき遠藤は地に足を付け、自らの進むべき道を進んでいる。【佐藤隆志】

遠藤航は後半途中出場!リバプールが横浜に逆転勝ち/ライブ詳細