欧州を代表する有力2チームが早くも姿を消した。オランダ(FIFAランキング8位)は、前回4強のモロッコ(同7位)に後半追加タイムに追いつかれ、1-1で延長戦を終了。PK戦で3人が失敗し、2-3と敗れた。ドイツ(同10位)は、4大会ぶり出場のパラグアイ(同41位)を攻め立てながら勝ち越せず、1-1からのPK戦で3-4と屈した。
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涙のオレンジ軍団は喪失感に駆られていた。「負けるのは常につらいが、その負け方がもっとつらい」。MFコープマーナースはそう口にした。90分で決着がつくはずだった。
オランダは後半27分、FWガクポが均衡を破った。試合の2日前、妊娠していた恋人が流産をSNSで表明。大きなショックを抱えながら戦っていたエースがスコアを動かした。ピッチ内にベンチ選手までがなだれ込み、連帯を示した。涙のガクポ。チームは一体感にあふれていた。このまま終わるはずだった、しかし終わらなかった。
後半追加タイムに突入してすぐ、クロスボールを頭で押し込まれた。空中戦に強さを誇るファンダイク主将が対応できなかった。気持ちが受け身になった。延長戦は防戦一方。PK戦へ持ち込み勝機を探ったが、2人目のクライファートを含め、信じられないキックミスが続く。3人が失敗したら勝ち目はなかった。
確かにモロッコは強かった。しかしオランダは自分たちの力を信じ切れていなかったのかもしれない。今大会初めて4バック(4-3-3)を3バック(3-4-3)に変更。守備時は両ウイングバックが引く実質5バックで、どこか受け身だった。司令塔役のMFデヨングは「システム変更は中盤を1人少ない形で戦うことを意味し、私の仕事が大変だった」と吐露した。相手にボールを支配され、伝統的なウイング攻撃が陰をひそめた。
1次リーグで日本戦含め失点が多かった。だからクーマン監督は3-4-3を選択した。選手とも相談した上でのシステム変更だったが批判の嵐にさらされた。「誰もが意見を持つ権利はある。だが、やり直せるとしても私は同じ選択をする」。そう言い切ったクーマン監督だが、その去就は不透明なものとなった。32強で敗れた事実は重い。


