20年東京五輪で採用されている複合(スピード、ボルダリング、リード)で予選4位通過の藤井快(こころ、25)が銀メダル、同トップ通過の楢崎智亜(ともあ、22=いずれもTEAM au)が銅メダルを獲得した。

1日で3種目をこなし、競技者は6人。藤井は2種目終了時点で総合5位だったが、最後のリードでトップとなり、2位に浮上した。金メダルは韓国のチョン・ジョンウォン(22)。経過は以下の通り。

◇スピード(楢崎4位、藤井5位) 楢崎は1本目で7秒01をマークし、キム・ハヌル(韓国)の7秒38を上回って準決勝進出。準決勝は終盤につまずき7秒43、3位決定戦はファウルで敗れて4位。藤井は1本目で13秒04と振るわず、カザフスタン選手に敗れて5位。ボルダリング、リードを残しての総合成績は楢崎が4点の4位、藤井が5点の5位。

◇ボルダリング(楢崎2位、藤井3位) 雨が降り出す中、楢崎は全4課題を完登。だが、同じく4課題を完登したチョン・ジョンウォン(韓国)が13回のトライ数だったのに対し、楢崎は16回を要して2位。藤井は最終第4課題のみ完登で3位。2種目を終え、総合成績トップはチョン・ジョンウォンの2点。楢崎が8点の3位で追い、藤井は15点の5位。

◇リード 藤井が時折声を張り上げて気合を込めながら登り、全体トップの高度を獲得。楢崎がそれに続いて2位。チョン・ジョンウォンは3位だったが、総合成績は6点で金メダル。15点をキープした藤井が5位から浮上して銀メダル、16点の楢崎が銅メダルとなった。

◆複合の順位決定方式 スピード、ボルダリング、リードの各種目の順位をかけ算し、総合点を算出。点数の少ない順に複合の順位をつける。例えば、スピード5位、ボルダリング1位、リード3位ならば「5×1×3」で15点。同点で並んだ場合は、直接対決で勝っている回数が多い選手が上位となる。東京五輪でも同様の形式で行われる。

◆複合とは 20年東京五輪で行われる方式で「スピード」「ボルダリング」「リード」の3種目で争う。スピードは高さ15メートルの壁を登るタイムを競う。ボルダリングは高さ3~5メートルの壁にさまざまな形のホールド(突起物)が設置され、複数の課題(コース)に挑んで制限時間内の完登数を争う。壁の高さ12メートル以上のリードは、制限時間内での到達高度が記録となる。