男子50キロ競歩で勝木隼人(27=自衛隊)が4時間3分30秒で日本勢2大会連続となる金メダルを獲得した。

34キロ手前では、両足が同時に地面から離れる「ロス・オブ・コンタクト」の歩型違反で3回目の警告を受けた。「ピットレーン」と呼ばれる場所で5分間、一時待機の罰則を受け4位に転落。しかし、前を歩いていた選手の急失速もあって大逆転した。「金メダルはうれしいが、正直複雑。歩型の甘さを露呈した」。

これで19年世界選手権(ドーハ)の内定第1号となった。その世界選手権でメダルを取った日本人最上位選手は20年東京オリンピック(五輪)の切符を手にする。「たくさんの人に支えてもらった。東京五輪で結果を出し、恩返ししたい」。東海大卒業後はサポート企業が見つからず、福岡に戻り、ヤフオクドームでグッズ売りのアルバイトも。苦労があるから、結果に貪欲になる。

◆競歩のピットレーン 歩型違反で3人の審判員から警告を受けると失格となるが、待機場所のピットレーンを設置したレースでは数分の中断後に再スタートできる。若い年代の大会で導入されていたルールを昨年11月からシニアにも適用。待機時間は20キロは2分、50キロは5分などと争う距離で異なる。再スタート後に4人目の審判員から警告を受けた場合は失格。20年東京五輪でも設置される可能性が高い。