15日に行われた女子1万メートル決勝で、佐伯由香里(20=アルゼ)が大声援を受けた。スタートから果敢にトップ集団についていったが、みるみる引き離され、結果は優勝したマサイ(ケニア)から2周差をつけられての最下位。しかし、“独走”となったラスト1周でスパートをかけると、142センチ、29キロの小柄な日本人選手に対し、会場はスタンディングオベーションと大歓声を送った。ゴール後には、大会マスコット・ベルリーの着ぐるみに飛びついて抱きあい爆笑を誘い、フィールドアナウンサーのインタビューでは「アイアム

 ユカリ・サハク

 フロム

 ジャパン。ベルリン

 イズ

 ビューティフル

 カントリー…?

 シティ?」と笑顔で話し、再び大きな拍手を浴びた。

 大会前には、ベルリンで恩師小出義雄氏へのプレゼントを購入しようと高級ブランド店を訪れたが、店員に小学生に間違えられ「君にはまだ早い」止められた。一緒にいた関係者が世界陸上の代表選手であることを告げると、店員の態度は一変。熱烈なサイン攻めにあったという。

 16日付地元紙ターゲスシュピーゲル紙で、唯一日本人選手で紹介された佐伯。次回は記録と結果で注目される選手を目指す。