DeNAランニングクラブアカデミーU15(15歳以下)の第2回セレクションが14日、荒天の世田谷陸上競技場で行われ、小学生7人が参加した。午前10時には曇天の中、時折雨脚が強くなったが、寒さをものともせず小学生は基礎体力メニューと、50メートル走、2000メートル走に全力で取り組んだ。

 一時は雷鳴がとどろき、7メートル超の強風で、屋外でのランニングは実施ができるか微妙な状況だったが、児童が2000メートル走のスタートを切ると、徐々に日差しが戻り、ゴールするころには急激に気温が上がり、15度を上回り軽く汗ばむほどの劇的な回復ぶりとなった。そんな厳しい気象条件の中で、柏から参加した小学6年の山下航平くん(11)は6分46秒の好タイムでゴールした。「雨が降ったりして天気は悪かったですが、僕の体調はとても良かったです」と、セレクションを終えると笑顔を見せた。

 1月末には神奈川で17人が参加して1回目のセレクションが行われており、3月の第3回を通じて、今後のマラソン界へ挑戦する人材を早くから発掘、育成することになる。瀬古利彦総監督(59)は「今は男子マラソンは厳しい状況が続いているが、こうした取り組みは意義がある。結果が出るのは先になるが、スポーツには走ることが不可欠で、まずは走ることを好きになってもらいたい」と言い、普段通りのにこやかな対応で、小学生や保護者と楽しく雑談しながら、緊張をほぐしていた。

 4月にDeNAランニングクラブアカデミーU15として活動をスタートする予定。今回のプロジェクトに携わる西谷義久スポーツ推進室チーフマネージャーは「2050年までにオリンピックで日本人選手が優勝することを目標に掲げています。野球やサッカーをやっていても、結果が出ずに悩むフィジカルモンスターもいる。そういう子どもたちに、陸上、マラソンという選択肢を持ってもらいたいと考えています」と、今回のトライアルの狙いを説明した。