前代未聞の大雪に見舞われながら、第35回大会の開催にこぎ着けた。前夜から降り続いた雪で、この日は午前4時半から除雪作業を開始。雪によるスタッフ増員などはなかったが、運営本部はもちろん、審判員や会場設営スタッフ、チーム関係者らが自らの業務と雪かきなどを並行して行い、予定通り午後0時30分に号砲が鳴った。

 発着点となった西京極陸上競技場では19道県のご当地グルメを販売する「ふるさと屋台村」が大にぎわい。団子汁、沖縄そばなど温かいメニューに、ファンや関係者は笑顔となった。

 鹿児島の最終9区を走った16年リオデジャネイロ五輪女子5000メートル代表上原美幸(21=第一生命)は「京都の人たちが駅伝を愛してくださっているのがよく分かった。朝早くから雪かきをしてくれて、選手を代表してお礼を言いたいです」とニッコリ。16度目の優勝を果たした京都のアンカー筒井咲帆(20=ヤマダ電機)はレース終盤にサングラスを外したことに触れ「感謝の気持ちを伝えたかった。しんどくて、険しい顔だったけれど」と大会開催への思いを語った。

 運営に携わった京都陸上協会の高木剛友副専務理事(67)は「35回の節目の大会をなんとかできて良かった」と安堵(あんど)の表情。その上で「選手がウオーミングアップをする脇道までは(雪かきをして)準備することができなかった。そこは申し訳なかったです」。運営側と選手が互いをねぎらい合う美しい光景が、レース終了後に待っていた。