追い風参考ながら9秒94をマークし、一躍時の人となった多田修平(20=関学大)の快走から一夜明けた11日、日本陸連の短距離担当・苅部俊二五輪強化コーチ(48)が、期待の新星の8月世界選手権(ロンドン)男子400メートルリレーメンバー入りについて言及した。「候補の1人。100メートルの代表になれば、メンバーにエントリーしないといけない」と抜てきの可能性を示唆した。

 日本人現役最速の桐生祥秀(21=東洋大)が、激しくなった世界選手権の男子100メートル代表争いを歓迎した。11日、欧州遠征から帰国。前日、日本学生で多田が9秒94を記録し、代表候補に急浮上した。日本選手権では山県、ケンブリッジ、多田との4人で代表枠3を競う構図となった。「変な油断はない。4人いた方が盛り上がる。勝った人が一番強い。それを示すのが日本選手権。タイムを出すのが分かりやすい」と言った。ダイヤモンドリーグ第4戦、ゴールデンガラ(ローマ)では6着だったが、アジア記録の9秒91の自己記録を持つオグノテ(カタール)に先着した。「9秒台の選手とも走っている。自分の走りを貫くだけ」。海外遠征で得た自信を胸に優勝だけを狙う。