埼玉県と所沢市と早大は12日、所沢市内で11日から同市で合宿中の競歩のイタリア代表チームの歓迎レセプションを開催した。5月5、6日に中国・太倉市で開催される世界競歩チーム選手権に向けた事前合宿で、5選手が26日まで16日間、所沢市内の国立障害者リハビリテーションセンター外周歩道などで最終調整を行う。

 昨年10月、イタリアオリンピック委員会が同国代表選手の東京オリンピック事前トレーニングキャンプを所沢市で実施することで、埼玉県、所沢市、早大と合意。陸上や水泳など最大200人以上の代表選手が、早大所沢キャンパスを拠点にする。今回の競歩チームの合宿はその第一歩となる。

 イタリア料理での歓迎会には埼玉県の上田清司知事、所沢市の藤本正人市長、早大のスポーツ科学学術院の村岡功教授をはじめ、地元所沢市の秋草学園の高校生らが参加した。

 昨年の世界選手権女子20キロで銅メダルを獲得したアントネッラ・パルミサーノは「こんな大歓迎を受け、世界選手権ではきっといい成績が残せると思う。ここが私たちの第2の家になるようにしたい」と感激していた。

 上田知事は「イタリアの競歩は五輪で金5個を含む12個のメダルを獲得している強豪。ベストコンディションで大会に臨めるよう全力でサポートさせていただく」と20年に向けて全面協力を明言。新婚旅行でイタリアを訪れたという藤本市長は「所沢は都会に近いわりに緑が多く、映画の『となりのトトロ』の舞台にもなった町でもある。ぜひ市民と触れ合ってもらえるとうれしい」と話した。

 レセプションで選手たちと交流した秋草学園高校の藤井美憂さん(17)と有村那歩さん(同)は「選手はやっぱりかっこいい。20年はボランティアをやりたい」と刺激を受けていた。

 イタリア競歩チームのパトリシオ・パセセペ監督は「イタリアと所沢の関係が進化していく小さな一歩になった。目標は再びここに戻ってくること。私たちの夢の実現にはみなさんの支えが不可欠です。明日から20年へ向けた夢の構築を始めたい」と、2年半後の本番へ確かな手応えを感じていた。【首藤正徳】