今年の箱根は1区から目を離すな-。横浜DeNAランニングクラブ総監督の瀬古利彦氏(62)が、東京箱根間往復大学駅伝(2、3日)を占った。青学大の5連覇を予想しながらも、波乱の可能性はスタート直後にあるとした。日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダーとして選手個々の走りにも注目した。

優勝は、まあ青学大だろうね。選手層が違う。原監督は2チーム出しても1位と3位と言っているけれど、確かにそのぐらい選手がいるよ。今までで一番安定している上に、不安要素もない。今年勝てば7連覇、いや10連覇ぐらいいくかもしれない。80%でも勝てるくらい、差は大きいね。

逆に打倒青学に名前があがる東洋大、東海大、駒大は全員が120%の力を出さないと。可能性があるとすれば、スタートダッシュ。1区で飛び出し、2区で差を広げて青学大のオーバーペースを引き出す。勝つためには、多少むちゃでもドーンと行かないと。なかなか難しいとは思うけれど。

青学大が堅い優勝争いとは別に、個々の走りにも注目したいね。期待するのは青学大の選手や、東洋大の西山、東海大の関、鬼塚、館沢、早大の中谷、順大の塩尻、明大の阿部かな。しっかりとスピードをアピールして、1人でも東京五輪代表選考会のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)に出て欲しいね。

箱根を沸かせた設楽悠太(東洋大→ホンダ)や大迫傑(早大→ナイキ)がマラソンで活躍したことは大きかった。将来の設楽や大迫を目指す選手が出てくるよ。箱根はゴールじゃない。ここをステップに五輪を、世界を目指さないと。NHK大河ドラマ「いだてん」の金栗四三さんも喜んでいるはず。金栗さんが箱根をつくったのは、五輪で勝てる選手を育てるためだったんだから。