新潟アルビレックスランニングクラブ(RC)は10日、新潟市内で19年新加入選手の会見を開いた。

20年東京五輪(オリンピック)を前年に控え、クラブ史上最多の7人が新加入。すでに単独で3月26日に会見を開いている競歩の小林快(26)ほか、逸材がそろった。走り高跳びの長谷川直人(22=新発田中央-新潟医療福祉大)と、円盤投げの高倉星也(22=上越総合技術-新潟医療福祉大)の県出身2選手も加入した。

走り高跳びの長谷川が力強く言った。「“新潟から世界へ”というスローガンのもとに日の丸をつけることを目標にしている」。17年全日本インカレ覇者は地元から20年東京五輪を目指す。新潟アルビレックスRC新加入の今年は、目標への助走だ。日本選手権(6月=福岡)で優勝し、世界陸上(9~10月=カタール・ドーハ)行きの切符を手にするつもり。円盤投げの高倉は「高校、大学で日本一がないから日本一になりたい」と話した。

2人は今春、新潟医療福祉大を卒業したが練習環境は学生時代と変わらない。拠点は母校グラウンドに置く。学生から社会人に変わっても途切れることなく練習に集中できるのが強み。高倉は冬から練習メニューを自身で作成し始めたが、長谷川は学生時代からメニューは独自に作ってきた。「今まで通りだけど、同期の選手から新しい刺激をもらえる」と言った。

東京五輪の出場権獲得は狭き門だ。国際陸上競技連盟(IAAF)は参加人数を制限し男子走り高跳びは32人。標準記録も2メートル33と、2メートル22が自己ベストの長谷川には高い設定。記録に満たない場合は新規導入のポイントランキング制度を活用。対象競技会に参加してポイントを稼がなければならない。しかし大野公彦社長(41)は「走り高跳びは日本チャンピオンになれば東京五輪に近づくとクラブでは考えている」と言う。長谷川が狙うのは日本で一番高いバーだ。【涌井幹雄】