男子は、吉田中が58分20秒で初優勝を飾った。1秒差の2位でタスキを受けた6区の水野健太(3年)が、終盤で逆転。チームに歓喜をもたらした。

女子は、御殿場中が44分5秒で7連覇を果たした2001年(平13)以来、18年ぶり8度目の優勝。1区から1度もトップの座を明け渡さなかった。男女の優勝校は、12月15日に滋賀県で開催される全国大会へ出場する。

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吉田中の水野は、安東中のアンカー選手との駆け引きの中、勝負の時を待っていた。「相手もラスト勝負のつもりでいたと思う。気持ちだけは切らさないように走っていました」。スタジアムへ入る直前の下り坂で一気にスパートをかけ、出遅れた相手を置き去りにした。トラックの最後の直線に入ったところで勝利を確信。両手を大きく広げて、栄光のゴールテープを切った。

8月の全国中学校体育大会・陸上では、3000メートルに出場も予選敗退。同じ陸上部の仲間が、男子400メートルリレー決勝で日本中学記録を更新して優勝した横で、悔しさを味わった。一時は競技へ懸ける思いも薄らいだが、駅伝チーム主将としての自覚を胸に再度立ち上がった。この日のレース本番は、同リレー2走の田村莉樹(りき=3年)が巻いたハチマキを巻いて臨み、チームを初の全国へと導いた。

昨年大会は2区で出走し、区間6位。チームも10位に終わった。だが、今年は大きく飛躍。初めての大舞台にも自信を持って挑む。「静岡の代表として優勝して帰ってきたい。やってやるぞと強い気持ちでいきたい」と拳を握りしめた。目指す目標はただ1つ。リレーチームに続く全国制覇だ。【河合萌彦】