ミトコンドリア増量効果で、名門のDNAを蘇生させる。第96回箱根駅伝(来年1月2、3日)に出場する早大が21日、埼玉・所沢キャンパスで合同会見を行った。

相楽監督は今年取り組んできたテーマの1つに、「ミトコンドリアを増やすことをやってきた」と明かす。酸素からエネルギーを作り出すこの細胞器官を増やせば、持久力アップにつながる。そのために行ってきたのが、100メートルを7割程度の力で50本走ること。「負荷が大きいので1カ月に1回」(相良監督)という過酷なメニューを、今年5月ごろから継続してきた。

知野トレーナーが海外の論文を読んだことがきっかけで、「じゃあ、やってみようと」と始めたミトコンドリア増量トレーニング。実際にその量がどれぐらい増えたか測定することはできないが、全日本大学駅伝で区間3位の快走を見せた千明(2年)は「(最後まで)足が動くようになった感覚がある」と効果を口にする。

チームは前回12位に終わり、13年ぶりにシード権を逃した。10月の予選会は9位と苦戦しながら辛うじて出場権を手にすると、強行日程となった翌週の全日本大学駅伝では6位に入って存在感を示した。44年連続89回目の箱根出場となる名門が、細胞強化で復活に手応えをつかんでいる。