新たなタッグで五輪イヤーの飛躍を遂げる。陸上男子短距離のケンブリッジ飛鳥(26=ナイキ)が13日、都内でイベントに出席し、今オフからフィギュアスケート男子の高橋大輔(33=関大KFSC)の専属トレーナーもしていた渡部文緒氏と契約したことを明かした。

昨秋からは週2回ほど指導を受けているという。近年は左太もも裏、左足付け根など故障続き。その影響もあり、筋力にも左右差が出ていた。崩れていた体のバランスを整え、連動性を高めてきた。「上半身と下半身のつながりを意識してきた。歩いている時もバランスがよくなったと感じる。走りにいかせれば」。パワーよりもバランスを意識し、体重は昨年より2キロ減の76キロだが、筋力は変わっていない。手応えはある。

昨年12月の国立競技場のオープニングイベントにも参加し、「ホームの感じになるオリンピックが楽しみで仕方ない」と胸を高鳴らせる。その舞台に立つには激しい国内の代表争いを生き残らなくてはならない。「代表になるのもすごく大変だが、やりがいがある。レベルが高い中で勝ち上がれば五輪本番の自信にもなる」。4年前。リオデジャネイロ五輪の代表選考会だった日本選手権の100メートルを制したのはケンブリッジだった。雨の中を駆け抜け、前評判を覆した。再び歓喜の激走を思い描く。そうすれば、今までの苦難も水に流せる。

同イベントはCMに出演する久光製薬の「エアーサロンパス」をPRする陸上教室。参加者にはリオデジャネイロ五輪男子400メートルリレーの銀メダルを披露し、触ってもらった。次は金メダルを持ってくることも誓っていた。