倍返し&恩返しだ! 七十七銀行の青木益未(26)が13秒13(無風)が2年ぶり3度目の優勝を果たした。

18年ジャカルタ・アジア大会代表の“バンカー”は7人の“敵”との争いを制した。「安定して13秒1台を出せたのはよかった。日本選手権で勝負できるようにしたい」と力を込めた。

その日本選手権(10月1~3日・新潟)は昨年2位。“倍返し”を狙っている。「それができれば気持ち良くシーズンを終われる。できればいいですね」と笑った。やられたら、やり返す-。その精神だ。

アスリートとしての活動“資金”元である七十七銀行では「事務センター」で月に1度ほど業務を行う。為替レートの数字を打ち込む作業などを担うという。銀行に所属する者として、もちろんドラマ「半沢直樹」もチェックする。「すごく大げさだなと思います。でも、もしかしたら(現実も)、あんな風に上はドロドロしているのかな」と笑った。

“出向”して、力を付けた。冬から男子の日本記録を持つ高山峻野(26=ゼンリン)に“おねしゃす”と頼み込み、一緒に練習を始めた。アスリートは体が“資本”。今までより技術面の突き詰め、ハードリングを“再建”した。昨季までの自己ベストは13秒15だったが、今季は数字が“インフレ”中。得意にスプリントの力にも磨きがかかり、8月23日には13秒08を出し、同29日には追い風2・1メートルと惜しくも参考記録ながら、12秒87をマークした。陸上界での立ち位置も“出世”した。

施されたら、施し返す-。“恩返し”したい人もいる。「所属の課長、監督」を挙げ「応援してくれている。結果が恩返しができたらいい」。ドラマ「半沢直樹」では憎い上司もたくさん出てくるが、青木には頼りになる人が多いようだ。

東京オリンピック(五輪)の参加標準記録は12秒84。半沢直樹よろしく“難題”を突き付けられているが、痛烈に乗り越えていく。

【上田悠太】