新型コロナウイルスの影響で中止となった総体の代替大会にあたる全国高校陸上2020(23日開幕、広島)で、男子短距離2種目に出場する鷹祥永(立命館慶祥3年)は、偉大な先輩越えを狙う。100メートルの自己記録はエントリー40選手中5番目の10秒43。「自己ベストを出せれば表彰台も狙える。北海道高校新を目指したい」。昨年日本人3人目の9秒台(9秒98)に突入した小池祐貴(住友電工)が同校3年時に記録した道高校記録(10秒38)更新を視野に入れる。

昨年は7月に従来の自己記録を0秒23更新。8月の総体では優勝候補だったが、大会直前に左足肉離れを起こして棄権。「総体に出られれば(道高校記録を)超えられる自信はあった」。その後、チームメートの井沢真(3年)が昨年10月のU18日本選手権200メートルで優勝し、今年は100メートルでも鷹の記録を0秒01上回った。「他の学校にはこんな高いレベルで競える相手は絶対にいない」。鷹はライバルの存在に発奮し、9月の札幌選手権で10秒53(追い風0・3メートル)のセカンドベスト、今月10日の道央記録会では追い風3・5メートルの参考ながら10秒45の好記録を出し調子を上げた。

由仁中3年の全国中学100メートル、200メートルで両種目2位と実績を残したが、高校では無冠。鷹は「10月を目指して調整してきた。走る度に感覚もタイムも戻ってきている。自分の持ち味を出す走りで楽しみたい」。故障で挫折を味わった高校生活。悔しさを最後の舞台にぶつける。