東京オリンピック(五輪)代表の一山麻緒(23=ワコール)が2時間21分11秒の好記録で優勝した。

野口みずきが持つ2時間19分12秒の日本記録には及ばなかったが、後続を大きく引き離してゴールを駆け抜けた。昨年の名古屋ウィメンズマラソンで優勝した際に記録した2時間20分29秒の自己ベスト(日本歴代4位)の更新はならなかった。2位は前田穂南(24=天満屋)で2時間23分30秒で自己ベストを更新した。(記録は速報値)

同じく東京五輪代表の前田穂南(24=天満屋)と序盤からマッチレースを展開。13キロ過ぎで前田が遅れを取ってからは単独で先頭に立つ形となった。

無風と天候条件にも恵まれるなか、川内優輝ら男子ペースメーカーに導かれ、高低差の少ない公園内の周回ペースを快調に走った。中間地点では野口みずきのペースから19秒遅れと日本記録を射程圏にとらえていたが、後半にペースを落とした。

昨年はコロナ禍で「思うように練習場所を使えず環境の変化で戸惑ったが、我慢強さは身についた」と、精神面でもたくましくなっていた。「マラソンに向けてスピード強化して、1万メートルと5000メートルで自己ベストを出せたのは自信になった」と充実感を口にしていた。16年ぶりの日本記録更新とはならなかったが、夏の東京五輪へ向けて一定の手応えをつかんだ。

※今大会は男女混合レース扱いとなり、一山と野口みずきの記録(03年の2時間21分18秒)は大会記録として併記される。