陸上男子200メートルの飯塚翔太(29=ミズノ)が20秒52で優勝した。プリンターとしては珍しく、新たにトライした高地調整に手応えを得た。

コーナーを抜けて、競っていた小池祐貴(25=住友電工)を引き離した。東京オリンピック(五輪)の参加標準記録20秒24には届かなかったが、向かい風0・5メートルだったことも内容には満足だった。「今日の動きの感覚であれば、(今後に20秒)24も切れる内容。いい条件で切れるように準備をしたい」と笑顔で振り返った。

直前までは約1週間、山梨・富士北麓の標高約1000メートルで短期合宿をしていた。準高地ではあるが、平地より酸素濃度が低い準高地に体を順応させ、心肺機能を強化する新調整法を試みた。体の状態はよかった。そのスプリンターでは一般的でない、長距離選手のような試合直前の過ごし方の感触もよかった様子。日本選手権など「今後の試合に向けても考えている」と振り返った。

お試しの調整法だった今回で得た反省も。酸素濃度が低く、すぐに疲れるため、走る量は「(通常の)半分にも満たない」で過ごしたという。予選ではスピードが上がらなかったことを踏まえ、「同じ調整をするのであれば、1本目のウオーミングアップでスピードを上げて走ることが大事」と糧にしていた。