新年度から新天地でスタートを切る北海道関連のアスリートや著名人を「カムカムスプリング」と題し紹介する。

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東京で新たなスタートを切った。釧路市出身で旭川龍谷高を今春卒業した陸上長距離女子の石橋桜(18)が4月から東女体大(東京)に進学した。3日、都内のキャンパスで開かれた入学式に出席。高校2年で全国高校駅伝出場も、主将を務めた3年時は都大路を走ることができなかった。悔しさをバネに、大学では得意の1500メートルを主戦場とする。

18年間過ごした地元北海道を離れ、憧れだった女子大生となり初めての1人暮らしが始まった。「これからがすごく楽しみです。子どもが好きなので小学校の先生になりたい」と思い描く。

高校は駅伝強豪の門をたたき2年時の全国高校駅伝を経験。3年時には主将として同予選6連覇に貢献した。だがその後苦しんだ。「自分のタイムが(メンバーから)外れるか外れないかくらいの位置だった。(全国)大会前の1カ月が一番長く感じてつらかった」。12月の全国大会は走れず、当日はサポート役にまわった。「走りたかったなというのはやっぱりあって」と唇をかむ。

悔しさが闘志に火をつけた。3月1日に高校を卒業後、地元釧路で1人黙々とトレーニングを積んだ。朝6時に起床し約10キロをランニング。午後も同程度の距離を走り込んだ。高3時の全国高校総体では1500メートルに出場。予選敗退だったものの、4分32秒64のタイムで自己ベストをマークした。「1500メートルのトラックレースが自分としては一番自信を持って走れる種目」と、大学での主戦場とする。

春を象徴する花である桜。桜好きの父昌央さん(49)母由絵さん(41)がつけてくれた名前は石橋本人もお気に入りだ。「都大路で走れなかった分、大学ではトラックレースで頑張ります」。新天地で大きな花を咲かせる。【山崎純一】

◆石橋桜(いしばし・さくら)2004年(平16)1月15日、釧路市生まれ。釧路鳥取中1年時に陸上競技を始める。旭川龍谷では2年時に全国高校駅伝4区で区間28位。3年時には主将を務め、全国高校駅伝道予選3区区間賞でチームの6連覇に貢献。1500メートルのベストタイムは4分32秒64。家族は両親と兄。血液型A。趣味は買い物。好きな食べ物はプリン。身長155センチ、46キロ。