男子100メートル決勝が行われ、デーデー・ブルーノ(セイコー)が社会人初タイトルを獲得した。追い風0・1メートルの条件下で、今季自己ベストの10秒20をマーク。「グランプリシリーズ(での優勝)は初めてになる。世界選手権の参加標準(10秒05)を狙っていたけど、優勝できて良かった」と笑顔を見せた。

3月に東海大を卒業して新社会人の今季は、春先から調子が上向かず、グランプリシリーズなどで結果を残せなかった。食事と運動量による体重調整などが原因とデーデー。「自分の管理不足。筋肉も増えたけど脂肪も増えていた」。5月8日のセイコー・ゴールデングランプリ(GGP)までに「1回走るのが嫌になった」と、モチベーションを低下していたという。

GGPを終えて1カ月間はレースに出ず、練習に集中。12日に閉幕した日本選手権では準決勝で敗退したが「調子が戻ってきた」。持ち前のトップスピードで、徐々に感触を取り戻してきた。

世界選手権の出場は厳しい状況だが「(23年世界選手権や24年パリ五輪など)世界が目標なのは変わらない」と力強く宣言。昨年の日本選手権で100メートル、200メートルともに2位となった逸材が、シーズン後半からの巻き返しを期す。

 

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