第99回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)が来年1月2、3日に開催される。日刊スポーツ東北版では「箱根を駆ける東北魂!!」と題し、東北にゆかりのある注目選手を紹介します。

   ◇   ◇   ◇

一般入試組の希望になる。岩手県北上市出身の順大・堀内郁哉(4年)が、箱根駅伝初出場に向けて、第1関門を突破。最終学年でエントリー選手16人に初選出された。「最後のチャンスが回ってきたと捉えていますし、自分は一般入試で入ってきて、成り上がりじゃないですが、少しずつ地力をつけてきたタイプ。最後の最後、ここにかけられたらなと思います」と静かに闘志を燃やす。

同期から大きく出遅れてのスタートとなった。出身校の花巻北は長距離の指導者がおらず、主将を中心に自分たちでメニューを考え、練習していたという。順大入学時は西沢侑真主将、伊豫田達弥、野村優作、四釜峻佑、平駿介(いずれも4年)といった現在の主力5人組とは、持ちタイムに1分ほどの差があり、そこに割って入るのは簡単ではなかった。「あまり(人と)比較しすぎないようにやってきましたが、4年になって、少しずつ自分の力を実感できたかなと思います」。実力差は徐々に縮まってきた手応えはある。

大学卒業後は山形県の白鷹町役場に就職し、公務員ランナーとして競技を続けていく。帝京大出身で前回大会の5区山登りで区間賞を獲得した細谷翔馬さん(22)も、同県の天童市役所で勤務する公務員ランナーだ。「(細谷さんは)県内で無双しているみたいなので、大学駅伝で戦えなかったですが、1回は倒したいです」と笑う。

最後の最後で巡ってきたチャンスを生かす。堀内は上りを得意にしており、レース後半に上り坂がある8区での出場を希望。「力がもともとなくても、少しずつ頑張れば、箱根駅伝に絡めるんだぞと走って見せたいです」。陸上エリートではない一般入試組の競技者に向けて、箱根路からエールを届ける。【山田愛斗】

◆堀内郁哉(ほりうち・ふみや)2000年(平12)4月14日生まれ、岩手県北上市出身。上野中、花巻北を経て19年に順大入学。自己ベストは5000メートルが14分9秒53、1万メートルが29分21秒91、ハーフマラソンが1時間4分0秒。172センチ、55キロ。血液型AB。