第99回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)が来年1月2、3日に開催される。日刊スポーツ東北版では「箱根を駆ける東北魂!!」と題し、東北にゆかりのある注目選手を紹介します。

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学法石川(福島)出身の明大・櫛田佳希(4年)は、高校、大学と同じ道を歩む阿部弘輝(25=住友電工)の背中を追ってきた。箱根駅伝では過去3大会すべてに出場し、20年は8区区間8位、21年は4区区間7位、22年は8区区間11位。「まだ目立った成績を残せてなく、自分の中で最後の箱根駅伝を残した状態で合格ラインに達していないので、最後の箱根でぶつけていきたいなと思います」。希望区間の4区で区間賞を目指す。

櫛田には明大のエース阿部が輝いて見えた。3学年上のため、高校には入れ替わるように入学。「阿部さんが明治で実力を伸ばし、強くなっている姿を見て、自分も可能性を感じ、ここで走りたいと思いました」。大学では1年間だけチームメート。20年の箱根駅伝では7区阿部から8区櫛田へタスキリレーをした。「自己ベストが速いですし、駅伝でも区間賞、区間新を出したり、気持ちの強さ、人柄だったり、すべてにおいて自分の中で尊敬している先輩です」と憧れを口にする。

大学3、4年時は左臀部(でんぶ)の肉離れに悩まされた。なかなか完治せず、再発するなど「不幸続きの2年間でした」。今季前半はリハビリに約5カ月を費やし、トラックシーズンを棒に振った。夏合宿は合流できたものの、10月の箱根駅伝予選会で転倒するアクシデントに見舞われ、11月の全日本大学駅伝では3区区間14位と苦戦。それでも「少しずつ調子が上がってきた」と自覚する。

箱根駅伝では2年時に走り、コースを熟知、適性があるという4区を「区間賞を一番狙える区間」と位置づける。「自分のポテンシャルを信じているというか、練習を信じ、区間賞を取れるように頑張ります」。最後の箱根路で完全復活を果たす。【山田愛斗】

◆櫛田佳希(くしだ・よしき)2000年(平12)4月21日生まれ、福島県いわき市出身。勿来一中、学法石川を経て19年に明大入学。自己ベストは5000メートルが13分56秒14、1万メートルが28分19秒77、ハーフマラソンが1時間2分59秒。20年は箱根駅伝で8区区間8位、全日本大学駅伝で4区区間6位。21年は箱根駅伝で4区区間7位。22年は箱根駅伝で8区区間11位、全日本駅伝で3区区間14位。166センチ、54キロ。血液型AB。