女子100メートル障害の前日本記録保持者・青木益未(29=七十七銀行)が、オリンピック(五輪)イヤーの初戦を快勝で飾った。

女子60メートル障害に出場した青木は、8秒15で大会5連覇を達成。この日の予選で全体の1着となる8秒20で決勝に進出し、決勝でも貫禄のレースを披露した。

この種目では、青木が昨年に8秒01で室内日本記録を更新。21年に記録した8秒05の大会記録も保持する第一人者だ。

大会連覇への「重圧はあります」と即答したベテランは「見ている方は期待するし、昨年もそろそろ(日本人初の)7秒台と言われたり、連覇があると、考えたくなくても(頭に)ちらつく。イヤだなと思いつつ、でも、この60メートル障害は毎年勝ちたい」と、静かに喜びをかみしめた。

21年東京五輪では、女子100メートル障害で準決勝に進めなかったものの、初めて大舞台を踏んだ。今夏のパリ五輪も当然、目標だといいつつ、青木流の意気込みを示した。

「1回五輪に出たので、一応(自分には)オリンピアンというのがあるので、そこまで固執せずに、やはり記録を出していくことが、自分的にもベストで、気持ちも余裕が持てる。五輪は気にせずに『しっかり速く走れ』って、自分に思って頑張りたい」

この日は女子100メートル障害で現在の日本記録を持つ福部真子(28=日本建設工業)や、田中佑美(25=富士通)ら有力選手が出場を見送っていたが、YouTubeで生配信され、注目された大会で青木が本領を発揮した。