陸上男子マラソンの川内優輝(36=あいおいニッセイ同和損保)が29日、GPS/GNSS機器メーカー「Garmin」のアンバサダーに就任し、東京・江東区の東京ビッグサイトでトークショーに出席した。

2010年から同社のGPSランニングウオッチを愛用。「一番は距離を計測できる。市民ランナーだった当時は、あらかじめ距離が分かる公園などをグルグル回るしかなかったが、このウオッチによって、距離が分からないところでも自由自在に走れるようになった」と魅力を語った。さらに「(19年に)プロになった時に、Garminさんからお話がいただけないかなと思っていた」と告白。レースや取材などでは常に着用し続け、ひそかにアピールしていたという。

そんな中、36歳で迎えた昨年10月のパリ五輪マラソン代表選考会のMGCでは、35キロ過ぎまで独走。最後は後続に追い抜かれたが、4位と健闘した。「MGCでテレビにうつり続けたことが大きかったのか、ついにお話をいただきました。本当にうれしいです。この就任を機に、まだ使いこなせていない機能も使えるようにしたいです」と笑顔を浮かべた。

マラソン界をけん引し続ける川内は、パリ五輪を走る可能性がある。3月3日の東京マラソンで2時間5分50秒の設定記録を上回る選手がいなければ、MGC3位の大迫傑がパリ五輪男子代表の3枠目に内定。その場合は、MGC4位の川内が補欠となる。

現在は臀部(でんぶ)や腰の痛みの回復を優先。4月21日のかすみがうらマラソン(10マイル)を本格的な復帰のめどとし「そこで本気で走れるように」と見通した。その後はパリ五輪の補欠となるか否かにかかわらず、5月のバンクーバーマラソン(カナダ)、7月のゴールドコーストマラソン(オーストラリア)に出場予定。「補欠であっても準備はしっかりしていきたい」と見据えた。

今月25日の大阪マラソンで国学院大3年の平林清澄が優勝するなど、若手世代の台頭も感じる。パリ切符の最終決戦となる東京マラソンへは「大阪で平林選手があれだけの走りをするとは思わなかった。良い結果が出ると盛り上がる。そこはニュートラルな目で見たい」と好記録に期待。自身は同大会に出場しないが「補欠に選ばれても、選ばれなくても、次に向かってパワーを出していきたい」と決意を込めた。