陸上男子110メートル障害(ハードル)の村竹ラシッド(22)が14日、都内で順天堂大(順大)の卒業式に出席し、今夏のパリ五輪の目標に同種目日本勢初の決勝進出を掲げた。

大学3年時に世界選手権初出場。昨年9月の日本学生対校選手権(日本インカレ)では順大の2学年先輩にあたる泉谷駿介に並ぶ日本タイ記録(13秒04)で優勝した。大学生活を「学びの多い4年間」と総括し、「自分が勝ちたいだけではなく、陸上部全体で勝ちたいという思いも強まった。人間的にも成長できたのではないかなと思う」と誇らしげに振り返った。

今オフは「最大出力を高める」とのテーマのもと、体全体の質を高めてきた。大学3年生シーズンに80キロの負荷だったクリーンも、現在は「マックスで110キロ」へとアップ。「この冬季を無駄にしないようなシーズンにしたい」と力を込める。

4月からは女子やり投げで昨夏の世界選手権金メダルの北口榛花らが所属するJALへ入社。すでにパリ五輪の参加標準記録を突破済みのため、6月の日本選手権の成績次第で初の五輪出場が決まる。

本格的なシーズンインは4月下旬以降と明かし、「五輪が一番の目標になると思う。まずは確実に出場を決めたい。決勝にも進出して、社会人1年目からインパクトを世界に与えられるような結果を残せたら」と思い描いた。