今夏のパリオリンピック(五輪)女子マラソン代表の鈴木優花(24=第一生命グループ)が25日、都内で内定選手記者会見に出席し、日本記録更新へ意欲を示した。

22年3月に大東文化大(大東大)を卒業し、実業団2年目となった昨年10月のMGCで優勝。日本陸連の選考基準を満たし、初の五輪切符をつかんだ。昨秋にはパリのコースを現地で視察し「こうしたすてきな街で走れることはなかなかないと思う。あらためて楽しむ気持ちと、強い気持ちをもって全力で挑みたいです」と気が引き締まった。

そんな中、1月の大阪国際女子マラソンでは前田穂南(27=天満屋)が19年ぶりに日本新記録(2時間18分59秒)を樹立。画面越しでレースを見つめていた鈴木も、胸が熱くなった。

「衝撃的で頭に残りました」

対する鈴木の自己ベストは2時間24分9秒。現時点で5分以上の差があるが、指導を仰ぐ山下佐知子監督からは「日本記録を誰か1人でも破ると、流れが来るよ」と背中を押された。

この日の会見。左横に座っていた前田を横目に、固く誓った。

「自分も挑戦したいと心から思いました。パリ五輪に向けて全力でトレーニングしていきますが、その先のマラソンでは絶対に日本新を出したいです」

そのためにも、まずはパリの舞台に集中する。コースは起伏が激しく、累積標高差は438メートルにも及ぶ。加えて真夏の暑さへの適応も求められるが、今はレースへの高揚感が心を占める。

「パリの街並みを頭の中に想像すると、今一番感じる思いはワクワク感です。ここ一番で勝負したいです」

1歩も引くことはない。強気に攻める。【藤塚大輔】