終盤のトラックレースだった。日本新記録(1時間26分18秒)で日本女子勢初の銅メダルを手にした藤井菜々子(26=エディオン)がホームストレートを歩いていると、後ろから4位のパウラ・ミレナ・トーレス(エクアドル)が迫ってくる。
「トーレス選手が来ているのに気付かなかった。競技場に入る前にガルシア選手(カナダ)が来ているのは足音で気付いて、そこでギアを上げた。入ってからは『いける』と思っていて、パッと見たらトレス選手がいて。危なかったなぁと。気付かなかった」
同タイムでのフィニッシュとなったが、着差で快挙をたぐり寄せた。「メダルという強い思いでここまできた。それで逃げ切れた」。紙一重の勝負を制した藤井は笑顔でそう振り返り、汗を拭った。

