日本短距離界のエース塚原直貴(24=富士通)は、ゲイの胸を借りる。ゲイは4レーンで、塚原は5レーン。「その胸を借りて、走りたい」と、世界歴代2位のスピードへの挑戦を口にした。8月の世界選手権は、準決勝で同組を走ったが、9秒93で1着通過したゲイに対し、塚原は10秒25で8着敗退。記者会見での写真撮影後、自ら握手を求め「ここにいることを、しっかりアピールしたい」とゲイの視野に入り込んだ。

 ベルリンから帰国後は、自分を見つめ直すために約2週間休養した。今大会は来季へ向けた出直しの初戦でもある。6月の日本選手権決勝は故障棄権し、実現できなかった江里口との対決も、モチベーションを上げる一因になる。「もちろん、負ける気はない。いい勝負ができる。『勝つぞ』と言っておこうかなと思います」と意識的に発言して、決戦を盛り上げた。