<第85回箱根駅伝>◇3日◇復路◇箱根-東京(5区間109・9キロ)

 早大が昨年と同じ総合2位に終わった。10区の三戸は、チームメートにわびるかのように手を合わせながらゴール。一般入試で入部し、4年で初めてつかんだ箱根路だったが、東洋大には41秒届かず「トップでテープを切るのが役割だったのに」と号泣した。

 誤算が続いた。7区を終わって2分半の差をつけるプランに最初の6区で狂いが生じた。昨年、同区間で区間賞を取った山下りのエース加藤が3・25キロ付近でトップに躍り出たが、突き放せない。6キロすぎから腹痛を起こしてペースが上がらず、8キロすぎに東洋大の富永につかまった。

 そこから2人の抜きつ抜かれつのデッドヒートが始まり、19キロ手前までにトップが5度交代。最後は加藤が腹痛に耐えながら必死の形相で逃げ切ったが、富永とは18秒差で「足を引っ張った」とうなだれた。

 7区を任された期待の1年生八木はレース1週間前に38度の発熱。本来の力にはほど遠く、走り終えて2分半どころか、12秒差しかつけられなかった。8区で中島が東洋大の千葉に逆転されると、力尽きた。

 昨年と同じ順位でも意味は大きく違う。昨年は挑戦者としてある程度の満足感はあったが、今年は優勝候補として必勝を期しての2位だけに敗北感でいっぱいだ。渡辺監督は「スタートで出遅れた。後手に回ってしまった。油断があったかも」とくちびるをかんだ。

 来年はエースの竹沢が卒業で抜けるが、前を向くしかない。渡辺監督は「今度は10人そろえるチーム力で勝負できる」と、3年生以下の選手に夢を託した。【吉松忠弘】