40年ぶりの五輪出場を目指すハンドボール女子日本代表が6日、リオデジャネイロ五輪世界最終予選(18~20日・フランス)のため、成田空港を出発した。

 チームには、直前の強化合宿にいなかった左腕エース藤井紫緒(30)の姿があった。「1度お断りしたのですが、チームの1人1人からメッセージが届き、心を打たれまして」。昨年3月に1度代表を引退。母校である大阪・宣真高の教師に専念するつもりだったが、代表の仲間に請われ、昨年10月のアジア予選で再び代表復帰。今回も学校の仕事を優先し、出場しない予定も「自分の問題だけじゃないのだと思いました」。1日に学校の卒業式に出席し、期末テスト問題を作成し終え、やっと5日に合流した。

 代表トップの国際試合587得点を誇るベテラン。貴重な左のシューターとしてだけでなく、精神的な柱として期待がかかる。「今の自分に何ができるか。雰囲気作りなど、プレーだけではなく、他の面でも力を出していこうと思います」と、力を込めた。