「JX-ENEOSウインターカップ2016」第47回全国高校バスケットボール選抜優勝大会は12月23日から東京体育館で開催される。女子日本代表の渡嘉敷来夢(25=JX-ENEOS)は07年の愛知・桜花学園高1年時からレギュラーとして活躍し3連覇を達成した。卒業後はJX-ENEOSの連覇に貢献。昨年からは世界最高峰WNBAに挑む。今年のリオデジャネイロ五輪では日本の20年ぶりベスト8進出に貢献。渡嘉敷にバスケット人生の原点ともいえるウインターカップの思い出を聞いた。(前編)

09年決勝で東京成徳学園大高を破り喜ぶ渡嘉敷
09年決勝で東京成徳学園大高を破り喜ぶ渡嘉敷

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 最初にウインターカップを観戦したとき、今でも忘れられない言葉を聞いた。

 埼玉・春日部東中3年だった06年大会。渡嘉敷は進学が決まり、インターハイ、国体に続く3冠のかかった桜花学園高の応援に出掛けた。

 渡嘉敷 優勝候補だったが準々決勝で負けた。ただそのとき、高校2年だった(日本代表の)高田(真希=デンソー)さんが「来年、自分たちで勝てばいい」とぼそっと言ったんです。すごいなと。負けた後にすぐ切り替える強さ。その言葉は今も心に残っています。

 1年の07年大会前は両ひざの成長痛に耐えて優勝。2年の08年大会前は左足首の疲労骨折でドクターストップがかかりながらも強行出場した。

 渡嘉敷 どれだけプレーできるか、だれも分からなかった。でも2年生主体のチームだったし、勝ちたかった。

 決勝の東京成徳大高戦はフル出場し、連覇に貢献した。試合後は松葉づえを付きながら喜んだ。

 渡嘉敷 試合中はアドレナリンが出ていたから大丈夫でしたが、終わった後は激痛でした。チームメートの励ましが支えでした。

 3年時の09年大会は決勝2日前から重圧で激しい腹痛に襲われながらも3連覇を達成した。

 渡嘉敷 骨折などに比べたら腹痛なんて。絶対に負けられないと。自分たちの学年で勝ち取った優勝。喜びと達成感は今でも最高の思い出です。


 ◆桜花学園と全国制覇 前身の名古屋短大付時代から、高校女子最多の全国制覇61回。今年は総体で5年連続22度目、岩手国体で4年連続19度目の優勝を果たした。ウインターカップで2年ぶり21度目の優勝を達成すれば、2年ぶりの高校3冠に輝く。


◆渡嘉敷のウインターカップ全成績◆


回戦スコア対戦相手(都道府県)
072回戦89-49土浦日大(茨城)
3回戦91-60山村女(埼玉)
準々決勝119-64幕張総合(千葉)
準決勝88-63山形商(山形)
決勝89-68東京成徳大高(東京)
082回戦91-72札幌山の手(北海道)
3回戦87-54熊本商(熊本)
準々決勝93-55金沢西(石川)
準決勝84-59山形商(山形)
決勝88-74東京成徳大高(東京)
092回戦112-68京都精華女(京都)
3回戦96-62埼玉栄(埼玉)
準々決勝102-82足羽(福井)
準決勝82-46札幌山の手(北海道)
決勝68-59東京成徳大高(東京)

【注】対戦相手の校名は当時