男子66キロ級の世代交代だ。柔道の世界選手権(8~9月、ブダペスト)男子66キロ級代表の阿部一二三(19=日体大)が同階級の「先導者」となる。

 8日、カステルデフェルス(スペイン)合宿を終えて成田空港に帰国。同階級で世界選手権3連覇の海老沼匡(27)が今後、1つ階級を上げた73キロ級で20年東京五輪を目指すことについて「次からは僕が66キロ級を引っ張って、この階級を代表する選手になりたい」と言葉に力を込めた。

 海老沼も阿部の実力を認めており「良い緊張感の中で試合している。自信に満ちあふれていて脂が乗っている」と話していた。

 合宿では66キロ級と73キロ級の外国人選手と乱取りをした。「組み負けた時もあったけど確実に力がついている。技を隠しても(情報は)漏れているので、その中でどのようにして勝つかということを考えた。ライバル選手の情報も引き出せたし、実り多い合宿になりました」。肌は真っ黒に日焼けし、充実した表情を見せていた。

 男子代表の井上康生監督は世界選手権までの残り2カ月を「準備力」が重要と強調した。「ここからは自身の悪い部分をどれだけ突き止められるか。準備段階でネガティブな発想を持って、それにどのように対応するかを考えることが大切。準備力が(勝敗の)カギになるでしょう」と話した。