2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の室伏広治スポーツ局長が1日、都内で取材に応じ、全ての競技日程を19年春までに決定し、チケット販売を開始することを明かした。それまでのスケジュールは17年内に各競技の日数を決め、その後、1日ごとの細かな競技時間を設定し、18年夏に国際オリンピック委員会(IOC)へ報告書を提出する。

 五輪の大会期間は20年7月24日~8月9日。16年リオデジャネイロ五輪では28競技306種目だったが、20年東京五輪では33競技339種目と増え、過去最多となったため、関係者によるとサッカー競技以外にも開幕前から実施される競技が出る可能性もあるという。

 立候補ファイルでは8月8日の日中に予定されているサッカー男子の決勝だが、暑さ問題もあり、別日程も検討中。室伏氏によると、そもそもなぜ暑い時期に大会を開催するのかという指摘が各所からあるという。それについて「招致段階で7月15日~8月31日の間という条件だったので動かせない。テニスやサッカーなどの世界的な大きなスポーツイベントと重ならないようにということ」と理解を求めた。多額の放映権料を払っている放映権者との兼ね合いもある。

 組織委の運営面も考慮する。暑さ対策を重視し、例えば午前3、4時からマラソンをやるとしても「公共交通機関が動いていないので運営側も観客側も集まれない」と話す。また、毎日バランス良く人気競技の決勝が配分されるようにする必要もある。日々、観衆や視聴者の興味を引く以外にも、同じ会場に観客が集中しないようにする輸送面の狙いもある。

 東京大会では新たに男女混合9種目が採用された。IOCは競技日程に男女のバランスも求めている。

 その上でアスリートファーストを最重要視しながら、国際競技連盟、放映権者らと調整する。暑さ対策、利害関係者、人気競技、男女バランス、運営…。種目数も過去最多となり、難しい調整が待ち受けている。