フリー走行が行なわれ、改良型パワーユニットを投入したマクラーレン・ホンダの2台は大きなトラブルもなく午前のFP-1で10位、13位、午後のFP-2で11位、14位とまずまずの滑り出しをみせた。ホンダとしても改良型パワーユニットの基本的な確認ができたと長谷川祐介F1総責任者は語った。

 「(他チームが様々な項目をテストする)金曜日のフリー走行ですからパフォーマンスの評価はまだできませんが、まずは基本的なセットアップの確認をしてドライバビリティには問題ありませんでしたし、(シフトアップ時の回転数が共振する)オシレーションも起きませんでしたから良かったと思います」。

 FP-1開始直後にはパワーユニットのセッティングデータにミスがあり、フェルナンド・アロンソが「ノーパワー!」と言ってスロー走行で戻ってくる場面もあったが、データを確認し書き換えて解決。その後は何もトラブルはなく、改良型の低速域トルクの向上も確認できたという。

 「今回の改良では、トータルの出力というよりも低速トルクを向上させています。軽自動車1台分くらいの上げ幅です。ただしこのスパ・フランコルシャンは低速コーナーがそれほど多くないので、ドライバーはそれほど効果が感じられなかったようですが、今後他のサーキットでは効果が出るはずです」。

 アロンソは「パワー影響の大きいここではストレートで大きくタイムを失うからポイント獲得は容易ではないと思うけど、天候の変化など何かが起きることを期待している。全てを完璧に戦いその利点を生かしてポイントを狙いたい」と語った。(米家峰起通信員)