男子の新潟アルビレックスBBがB2茨城ロボッツを75-70で破り、14大会ぶり4回目の8強入りした。シューティングガード(SG)城宝匡史(35)が16得点。第4クオーター(Q)に逆転の3点シュートを決めるなど、要所でスコアメークした。準々決勝は来年1月4日、さいたまスーパーアリーナで行われる。女子の新潟BBラビッツは三菱電機に51-80で敗れたが、第3Qのスコアで22-17と上回るなど、健闘した。

 隙を逃さなかった。「相手のマークが一瞬離れた」。城宝は切れのあるフォームから3点シュートを放った。ボールは放物線を描き正確にリングに収まる。第4Q残り5分、58-60からの1本が、新潟の8強入りを引き寄せた。

 このQの出だしは51-53と2点ビハインド。残り6分40秒では53-60と7点差まで広げられた。「ペースを上げないと追いつけなくなる」。危機を察した城宝が、ここで3点シュートを決めて差を詰めた。センター(C)ダバンテ・ガードナー(26)のシュートで2点差に迫った後、再び放った3点シュートで主導権を奪い返した。この後、新潟は試合終了までリードを守った。

 茨城は前日25日、B1のSR渋谷を破っている。下克上で勝ち上がった勢いがある上、普段は対戦しないB2勢のスカウティングは十分ではない。序盤から一進一退の攻防になった。ただ、城宝は冷静だった。「きっかけさえあれば逆転できる」。開幕直後に負傷した左手親指はサポーターで保護したまま。接触の可能性があるレイアップに不安はあるが、3点シュートなら影響はない。勝利につながるきっかけを見つけ、結果を出した。

 庄司和広監督(43)は「いいところで城宝がスコアを戻してくれた」とたたえた。新潟のベスト8入りは庄司監督が新潟の主将だった03-04年以来。城宝自身が全日本選手権に出場するのは、大商大1年だった01-02年以来だ。「久しぶりですね。やはりやるからにはどこが相手でも勝ちたい」。たどりついた新年最初の一戦を楽しみに待つ。【斎藤慎一郎】